海外赴任や駐在は、新しい生活を始めるにあたり、多くの荷物を持っていく必要があります。
海外への引っ越しの方法としては「船便」と「航空便」の2つの方法があります。しかし航空便で荷物を送ると高額な送料がかかってしまうため、コスト面で悩まれる方も多いでしょう。
船便を利用することで、送料を抑えることができ、大量の荷物を送ることができるメリットがありますが、配送にはかなりの時間が掛かってしまうデメリットもあります。
そこで、今回は船便で送る場合のメリット・デメリット、船便で送る荷物のリスト紹介し、海外赴任や駐在の引っ越しをスムーズに行うためのヒントをお届けします。
これから海外へ引っ越しする方の参考になればと思います。
1.海外への引越しにおける「船便」とは?
船便は、海を航行する船によって輸送される荷物のことで、陸路や航空便と比較して、時間はかかるものの費用が安く済むというメリットがあります。
また、船便は大量の荷物を輸送できるため、家具や家電製品などの大型の荷物を送る場合に適しています。
船便は、出発地点から到着地点までの海上交通状況や港湾の混雑状況、荷物の輸送量、天候などによって、到着までの時間が大きく異なる場合があります。
船便の場合、荷物を送る前に、出発地点の港で海上輸送会社が指定する積み方や梱包の方法に従って、荷物を梱包する必要があります。
また、到着地点での荷物の受け取りについても、輸入手続きや税金の支払いなどの手続きが必要になる場合があります。
船便は、時間に余裕がある場合や、大量の荷物を送る場合にはおすすめの選択肢ですが、到着までの時間が不確定な場合や、荷物の梱包や受け取りに手続きが必要な場合があるため、事前に情報を収集しておくことが重要です。
2.船便で送るメリットとデメリット
船便で送るメリット
船便を利用するメリットとしては、以下の点が挙げられます。
・料金が安い
船便は航空便に比べて、料金が安くなる傾向があります。特に、大きな荷物や家具などの移送には、船便が有利であり、一定の金額で送ることができます。
また、一部の業者では荷物の量によって、割引サービスを行っている場合もあります。
・大きな荷物も送れる
船便は航空便に比べて、荷物の制限が少ないため、大きな荷物や家具、自動車なども送ることができます。
これに対して、航空便では大きな荷物や家具を送る場合には、特別な手続きや高額な料金が必要になることがあります。
船便で送るデメリット
船便を利用するデメリットとしては、以下の点が挙げられます。
・時間がかかる
船便は航空便に比べて、時間がかかるため、急いでいる場合には不向きです。船の出発日時や到着日時が予定通りにならない場合があり、予定が立てにくくなることもあります。したがって、スケジュールに余裕を持って計画する必要があります。
・荷物が破損する可能性がある
船便では荷物が運ばれる際に、破損や紛失する可能性があるため、適切に梱包する必要があります。
また、輸送中に海難事故や天候の悪化などが発生する場合もあります。このような場合には、保険に加入しておくことが重要です。
3.船便で送れるものと送れないもの
海外赴任や駐在に伴う引っ越しでは、船便を利用して荷物を送ることが一般的です。しかし、船便では送れるものと送れないものがありますので、荷物を仕分ける際には注意が必要です。
以下が、船便で送ることができる荷物と送ることができない荷物の一覧です。荷物の仕分けをする際には、これらの一覧を参考にして、スムーズな引っ越しを実現しましょう。
船便で送れるものリスト
まず、船便で送れるものの一覧をご紹介します。船便で送ることができる荷物には、以下のようなものがあります。
項目 | 具体例 | 説明 |
---|---|---|
衣類 | Tシャツ、ジャケット、ズボン、靴など | 洋服類はもちろん、靴や帽子なども送ることができます。 |
家具 | ベッド、ソファ、テーブル、椅子など | 分解できる家具であれば、船便で送ることができます。 |
家電製品 | 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、コンピューターなど | 電圧に合わせて使用できるものであれば、船便で送ることができます。 |
本・CD・DVDなど | 小説、ビジネス書、音楽CD、映画DVDなど | 書籍、音楽、映像作品などのメディア類は、船便で送ることができます。 |
日用品 | 食器、タオル、ベッドシーツなど | 家庭で使用する日用品であれば、船便で送ることができます。 |
上記は一般的に船便で送ることができるものの一例です。ただし、国や地域によっては制限がある場合がありますので、事前に確認が必要です。
また、日用品については同一の発送可能量が個人消費量の約3ヶ月分程度しか送ることができません。
これは三か月分を大幅に超えて発送を行った際は、現地の税関で商業目的と見なされてしまい場合によっては没収されてしまうリスクがあるからです。同一品目といってもシャンプーとリンスは別品目になります。
船便で送れないものリスト
一方、船便で送ることができない荷物には、以下のようなものがあります。
項目 | 具体例 | 説明 |
---|---|---|
危険物 | 火薬、爆発物、ガソリン、オイル、ペイント、薬品 | 火災や爆発の危険があるため送れません。 |
食品 | 生鮮食品、缶詰、保存食品 | 保存期限が短く、発酵や腐敗の可能性があるため送れません。 |
現金 | 紙幣、硬貨、小切手 | 盗難や紛失の可能性があるため送れません。 |
麻薬類 | マリファナ、コカイン、ヘロインなど | 各国の法律により厳しく取り締まられているため、送れません。 |
動植物関連 | ペット、植物、種子 | 隔離期間や植物防疫法による制限があるため送れません。 |
医薬品 | 処方箋薬、市販薬、健康食品 | 各国の法律により厳しく取り締まられているため、送れません。ただし、手荷物としては持ち込みできます。 |
ガスを含む家電 | ガスストーブ、ガステーブル | 漏電や爆発の危険があるため送れません。 |
電池・バッテリー |
※制限あり |
爆発の危険性があるため基本的には禁止ですが容量が小さいものであれば送ることが可能。 |
貴重品 | パスポート、免許証、クレジットカード | 盗難や不正使用の可能性があるため、送れません。 |
これらの荷物は船便で送ることはできず、航空便や別の方法で送る必要があります。また、船便で送ることができる荷物でも、船便の配送時間が長いため、緊急に必要なものは航空便で送ることがおすすめです。
4.実際に船便で送った品物のリスト
衣類・洋服・靴など
船便で輸送するのはかなり時間がかかるため季節外れの洋服を送るようにしましょう。また海外滞在期間が長期にわたる場合、使い慣れている下着や、靴下、靴、パジャマなどストック用として持って行くことをお勧めします。私の場合は特に自分の足にあった靴を探すのが難しいため、使い慣れている靴を複数個買って船便で送りました。
以下が実際に船便で送ったものです。
<リスト>
・洋服(季節外れのもの)
・下着
・靴下
・靴(普段用)
・靴(仕事用)
・アウター
・パジャマ
雑貨や生活用品、日用品
タオルやスリッパ、ティッシュなど生活に必要な物を大量に送っています。海外で購入することもできますが質がよくなかったり、地域によっては物価が高く日本で購入して送った方がかなり安くなる場合もありますので、可能な限り送るようにしましょう。
特に家の中に土足で上がる文化の海外地域ではスリッパは必須ですので忘れないように購入して送るようにしましょう。
洗濯用具
ハンガーや洗濯ネット洗濯物干しスタンドなども日本で購入した方が安い場合は船便で送った方が良いです。
洗剤や柔軟剤については、水の硬度が地域によって違ってくるため現地で調達するのが望ましいですが、お気に入りの洗剤や柔軟剤があれば持って行ってもいいかもしれません。(正しい硬水の強いの地域では、日本の洗剤や柔軟剤は泡立たなかったり、洗剤が落としきれなかったりするので注意が必要です。)
<リスト>
・ハンガー
・ピンチハンガー
・洗濯ネット
・洗濯物干しスタンド
・洗濯用洗剤
・柔軟剤
洗面用具
海外で眼鏡やコンタクトレンズを購入しようとするとかなり高額になったり、自分にあったものがなかなか作れなかったりするので持って行くことをお勧めします。
また歯ブラシについても同様で海外で購入するとかなりサイズが大きく口に合わなかったり、ブラシが硬すぎて痛かったりするので自分の好みのものを購入して送るようにしましょう。
<リスト>
・メガネ(予備)
・コンタクトレンズ(ストック用)
・コンタクト洗浄液(ストック用)
・歯ブラシセット(ストック用)
・歯ブラシトラベル用(ストック用)
・保湿剤(ストック用)
・無印のオールインワンジェル
・目薬
寝具系
使い慣れているものがあれば持って行くようにしましょう。
特に枕は自分のあったものを海外で探すのが大変だったりしますので好みのものがあれば船便で送るようにしましょう。
<リスト>
・布団一式
・枕
・毛布
・電気毛布
キッチン用品・調理器具
炊飯器などは海外にも売られてたりしますがおいしさが日本のものと比べて全然違います。また日本の調味料は海外のアジア系のショップでも購入することが可能ですが基本的に割高なので可能な限り持って行くようにしましょう。(ヨーロッパですと3~5倍!!!)
ラップについても海外のものは張り付いて使いにくかったりすぐ破れてしまったりするので日本のものを購入して送るのが良いでしょう。
家電製品
家電製品については、国や地域によって使用電圧や周波数が異なる場合があるため、注意が必要です。また、船便で送る場合は、耐久性のあるパッキングが必要であり、慎重に梱包することが必要です。
船便で送る家電製品の例としては、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、空気清浄機、炊飯器、電子レンジ、コーヒーメーカーなどがあります。
これらの家電製品は、国や地域によって使用電圧や周波数が異なる場合がありますので、必ず確認しましょう。また、重さやサイズが大きいため、パッキングには十分に注意する必要があります。船便で送る際には、耐久性のあるダンボール箱やプチプチなどでしっかりと梱包し、事前に運送会社に相談して、適切な配送方法を選ぶようにしましょう。
私の場合は滞在の家が家電付きで探すため、電子レンジや掃除機などのものは送らずに済みました。
<リスト>
・コンセント変換プラグ
・変圧器
・体重計
・ドライヤー
趣味のもの
趣味の道具としては、例えば、釣り竿やキャンプ用品、ゴルフクラブやテニスラケット、楽器や写真機材、工具やDIY用品などが挙げられます。これらの道具は、大きさや重さ、特殊な形状をしている場合があるため、パッキングには十分に注意する必要があります。
私の趣味としてはフットサルの道具いやキャンプ道具を船便で送りました。キャンプ道具についてはヨーロッパで行こうと思っていますが細かいものは、現地で調達して楽しみながら道具を揃えたいと考えているためサイズが大きなものだけ送るようにしました。
<リスト>
・フットサル道具一式(シューズ、ユニフォーム)
・キャンプコット
・キャンプ寝袋
・キャンプチェア
・キャンプエアーベッド
・キャンプテーブル
6.まとめ
ブログで紹介した「海外引越し仕分け~船便で送る荷物リスト」を参考に、自分にとって必要な品物を選んで、引っ越しの準備を始めましょう。
海外引っ越しには、様々な手続きや準備が必要ですが、船便で送る荷物リストをしっかりと作成することで、スムーズな引っ越しを実現することができます。以上の点を踏まえ、安全かつスムーズな海外生活を始めましょう。